3月20日に「核のない世界を:NPT(核拡散防止条約)に向けた平和行進」がサンフランシスコを出発した。日本からも十代、二十代の若者が数人参加している。
この行進は5月にニューヨークの国連でのNPT会議に向けて、西海岸と東海岸の核兵器と原発関連の地を訪れながら歩いていく。西海岸はカリフォルニアの稼働中原発を訪れた後、ネバダ州にある世界最大の核爆弾実験場、砂立ち漠の中の核廃棄物貯蔵所、ナバホ・インディアンの地で行われてきたウラン鉱採掘所跡、石炭採掘をめぐる強制移住に30年間抵抗しているナバホの長老たちを訪れながら行進する。
今回の行進で、わたしは道行く人々、対向車の運転手、警笛をならす運転手など、可能な限りの人々に、大きなスマイルで合掌礼拝しながら歩くことにしている。お辞儀しながら目を合わせてスマイルすると、笑い返してくる人、手を振ってくる人、目をそらす人、困ったような顔をする人いろいろだ。相手が目をそらしても、不快な様子を見せても、どこまでも心穏やかにほほえみ続けることができるのは、笑いヨガをやっているからだろうか。それともマインドフルネスのトレーニングゆえだろうか。はたまた歳のせいだろうか。
「息を吸い、身体を鎮める。息を吐き、ほほえむ。
この瞬間に生きる。素晴らしい瞬間だと知る」 (ティック・ナット・ハン)
この瞬間に生きる。素晴らしい瞬間だと知る」 (ティック・ナット・ハン)
3月24日は、米国最大の核兵器の研究開発設計施設の一つ、リブモア国立研究所まで13マイル(約20キロ)を歩いた。道路沿いに、鮮やかなオレンジ色のカリフォルニアポピーや薄紫の藤の花が咲き乱れていた。途中満開の桜の木、それもソメイヨシノを見つけて心が騒いだ。日本の桜はもうほころび始めただろうかと、桜におもいをはせていたところだったから。
美しい春の花々の咲くこの街は、実は、この核兵器開発研究所によって、地下水が汚染されている。
20年以上前は、毎年8月6日の広島デーに、まだ小さかった子どもたちを連れて、このリブモア研究所前で、核兵器の廃絶を求める非暴力抗議行動の集会やマーチに参加した。研究所に隣接する地区はその頃は野原だったが今は住宅地になっている。地下水の汚染を街の人々は知らないわけではないと思うが。
かつて私が勤めていたカリフォルニア大学が連邦エネルギー省の委託でこの研究所を管理運営していた。ゲートの中で働く職員には仕事上の顔見知りが何人もいた。どの人も良い人たち。でもここで行われている研究は狂気としか思えない人類と地球のいのちへの冒涜。
研究所のゲート前には、十数名の警備官が緊張した面持ちで私たちの到着を待っていた。路上には4台のパトカーが停まっている。 わたしたちは1時間ほどゲート前に座り込んで、歌を歌い、折鶴を手渡し、先住インディアンの人々がたばこを焚き、キリスト教の牧師が祈り、日本の仏教僧たちがフェンスの向こう側の警備官たちの目の前で大地にひれ伏して礼拝をした。
リブモア研究所では気の遠くなるような莫大な軍事予算を使って、ヒロシマ原爆の2000倍以上の破壊力を持つ核兵器が開発製造されている。一発発射するだけで一つの国が壊滅するほどの兵器を製造するために税金を使い、古くなればそれを廃棄するためにまた税金を使う。そして次々と新型核兵器が製造されていく。
なのに、この国では毎日122人が必要な医療を得られずに死んでいる。歯科医療保険を持っていないアメリカ人は一億人、約3人に一人いる。数百万人もの子どもが歯の治療ができずにいる。税金は人々のいのちと健康と幸福のために使われるのではなく、止まることを知らず増大する軍事予算にまわされ、「核兵器村」の人々を潤す。
『終末時計』(核兵器の脅威など人間の生み出したものによって人類が滅亡するまでの時間を象徴的に表す)が、この1月に針を2分進めて残り3分になった。
NPOトライバレー・ケアは、リブモア研究所の核兵器開発の非人間性を訴え、情報公開を要求し、実態を調査し、広報し、非暴力アクションを企画し、訴訟を起こし、国連その他への報告をもう30年間続けている。その団体の弁護士、理事長、高校生のインターンたちが、ゲート前で私たちにジョイントした。その夜は、その方々のホストで地域の人々が持ち寄ってくれた食事をしながら交流した。
下の写真は、真ん中が合掌礼拝をする日本の尼僧、左の赤いシャツがタバコをたいて祈るアメリカインディアンの人、右のグレイのTシャツの人が、戦争に反対する戦争帰還兵の会の人。
下の写真は、真ん中が合掌礼拝をする日本の尼僧、左の赤いシャツがタバコをたいて祈るアメリカインディアンの人、右のグレイのTシャツの人が、戦争に反対する戦争帰還兵の会の人。
日本とアメリカの仏教尼僧のゲート前での礼拝行は言葉の本来の意味でラディカル(根源的)だったと思う。
イラク戦争の戦闘服に身を固めた警備官たちは、両足を大きく開いて、わたしたちをにらんでいた。その人たちの目と鼻の先1メートルの地べたに、日本の尼さんがフェンスを間にはさんで礼拝合掌した。一人の尼僧が5分ぐらいの礼拝行を終えると、次の尼僧が、、、また次の僧が、、と5人の御出家が終わるまでに20分。そうしたら日本の若者をはじめとして行進者たちも次々と尼僧に続いた。その間、警備官たちは仁王様のような様子を維持することはできなかった。こわい顔の表情がゆるみ、困ったような顔になる人、苦笑いする人、隣の警備員と話し始める人、懸命に威圧的な顔を維持しようとしている人、さまざまだ。
シュプレヒコールの抗議のアクションならば、ゲートのフェンス前にちょっと立つだけでも、即刻逮捕と脅してくるのに、ひとりずつの合掌礼拝が合計1時間近くもゲート前で続いたのに、警告も脅しもなかった。
フェンスは「私たち」と「彼ら」を分断する。でも人の心をいつも分断できるわけではない。静かにほほえんで相手に合掌するとき、相手の心の奥で何かが揺さぶられる。
フェンスは「私たち」と「彼ら」を分断する。でも人の心をいつも分断できるわけではない。静かにほほえんで相手に合掌するとき、相手の心の奥で何かが揺さぶられる。
平和行進の一歩一歩の歩みは祈りです。武力も経済力も組織力もない私たちが、ヨガ的に言うならば、出会うすべての人の心の中の真っ白な蓮華が大きく花開くことを願う旅です。自分の蓮華を咲かすための修業でもあります。だからと言って宗教団体の巡礼ではありません。アメリカインディアンの人、キリスト教の牧師、仏教僧、イスラム教の人、バハイの人、宗教には興味のない人。祈りよりヒップホップが好きな人。さまざまです。
さあ、明日は誰と出会うでしょうか。何が起こるでしょうか。
さあ、明日は誰と出会うでしょうか。何が起こるでしょうか。
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森田ゆり講師の研修 2015年
時間は全て10時~17時 森田ゆりが全ての講座の講師を務めます。
☆印が「ALOHA KIDS YOGA:施設の子どもたちにヨガを教える」リーダー認定に必要な講座です。
☆2月14日 新大阪 ヨガと心身のエンパワメント
☆2月15日 新大阪 マインドフルネスと共感力
3月14,15日土日 新大阪 多様性・人権啓発トレーナー養成講座
☆4月12日 横浜 日 ALOHA KIDS YOGA: 施設の子どもたちにヨガを教える I
☆4月19日 横浜 日 ALOHA KIDS
YOGA: 施設の子どもたちにヨガを教える II
☆5月16日 横浜 土 ALOHA KIDS YOGA: 実技練習と認定テスト III
☆6月6日 新大阪 土
ALOHA
KIDS YOGA: 施設の子どもたちにヨガを教える I
☆6月7日 大阪 日
ALOHA
KIDS YOGA: 施設の子どもたちにヨガを教えるII
☆6月27日 大阪 土 ALOHA KIDS YOGA: 実技練習と認定テスト Ⅲ
☆7月25日新大阪 土 「気持ちの本」を使った≪気持ちワークショップ≫ファシリテーター養成講座
8月8,9日 新大阪 土日 アサーティブ・コミュニケーションを自分のものにする
(2日目は自分の課題でロールプレイをしフィードバックを得ることで上級スキルを習得)
9月5,6日 新大阪 土日 笑いヨガリーダー養成講座
9月26,27日 新大阪 土日 家族えん会議(修復的司法・FGC)のファシリテーター養成講座
11月29日 新大阪 日 しつけと体罰~体罰に代わる効果的な関わり方~
☆12月12日 横浜 土 ヨガと心身のエンパワメント
☆12月13日 横浜 日 マインドフルネスと共感力
12月19,20日 新大阪 土日 虐待とDVが子どもに与える影響
新大阪会場:大阪市市民交流センターひがしよどがわ JR新大阪駅より徒歩3分
(6月以降の会場確保はまだできていません。)
横浜会場:福祉保健研修センター・ウイリング横浜 京浜急行線上大岡駅より徒歩5分
ゆめおおおかオフイスタワー4F
〒533-0013 大阪府大阪市東淀川区豊里7丁目31-16-605 FAX/留守電:06-6320-1944
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4月25,26、27日 第9回MY TREEペアレンツ・プログラム実践者養成講座
会場: 大阪市立市民交流センターなにわ JR環状線芦屋橋駅から2分
申し込み・詳細: MY TREE センター http://www.geocities.jp/mytree1206/faq3.html